2月の全校朝会では、以下のような話をしました。
今日は、「寒ければまきを割りなさい」というお話をします。
まだ灯油も電気もガスもない昔のお話です。
イギリスという国に、そこにウィリーという男の子がいました。
とても寒い日曜日の朝です。ウィリーはベッドから顔をのぞかせて、
「寒いなあ、おきるのはヤダなあ」と思っていました。
そこで、「お父さん、寒くてしかたないから、ストーブをたいていい?」
と、お父さんに聞きました。すると、お父さんは、ウィリーの顔を見ながら、
「そうだね、きょうは特別に寒いからストーブをたこう」
といいました。そして、
「じゃあ、お父さんは羊やにわとりの世話をしなければいけないので、ウィリー、君がまきを割ってくれるかい」
といいました。 ウィリーは、
「そうか、まきがないとストーブがたけないんだ」と思って、
「わかった、ぼくがまきを割るよ」
と返事をしました。「えい!」と思い切ってベッドからはねおき、寒いのをがまんして服をきました。
分厚いコート、手袋、マフラー、毛糸の帽子を身にまとい、薪割り場に行くと、お父さんがもう準備をしてくれていました。
「いいかいウィリー、まず、まきの真ん中になたを軽く当てるんだ。
そして薪からなたがはなれないように両方持って、コツンと音がするぐらいに下におろすんだよ。そうすると、ほら、なたがまきにくいこんで離れなくなるだろう、そしたら、今度は、力を入れて、ふりおろすと、カツーン、ほら、薪が二つに割れるだろう。」
お父さんに薪の割り方を教わったウィリーは、さっそくやってみました。カツン、といい音がして、薪が二つに割れました。二回、三回、カツン、カツン、十回、十五回、カツン、カツン。
だんだんなれてくると、マフラーがじゃまになってきたのでマフラーをとりました。
カツン、カツン、二十回、三十回、今度は分厚いコートもじゃまになってきたのでコートをぬぎました。カツン、カツン、五十回、六十回、カツン、カツン、七十回、八十回、もう、ウィリーはいつのまにか毛糸の帽子もとっていました。九十回、百回、ウィリーの体から湯気が立ちのぼり、額からは汗が流れていました。
「フウー、もう、いいかなあ。」
ウィリー、は汗をぬぐいながらお父さんに、大声でいいました。
「お父さん、もういい。」
すると、お父さんが、「ウィリー、もういいよ。その薪をストーブにくべて、火をつけなさい。」
と言いました。でも、ウィリーはもう体がポカポカして、ストーブなんかいらなくなっていたのです。
「お父さん、もう汗かいちゃったからストーブはいいや」
とウィリーがいうと、お父さんは、
「それはよかった。ウィリー、これからも寒かったら薪を割りなさい」
と、いいました。
というお話です。
さて、今、みなさんが寒かったら、どうしましょう。
ウィリーのように、体を暖める薪割りの仕事はありません。そんなときは、思い切って外へ出て、なわとびをしたり、友だちと追いかけっこをしたり、体を動かすことをしてみたらどうでしょう。
人間の体の中には、血液が流れていて、体を動かすとその血液の流れが速くなって、自然に体が暖かくなります。試してみてください。
今日は、「寒ければ薪を割りなさい」というお話でした。
あと2ヶ月で、次の学年に上がります。6年生は中学生になります。勉強も運動も大切ですが、みんなが仲良く協力して、いじめのない、「ありがとうがいっぱいあふれる」学校のすることが一番大切です。今月もみんなで頑張っていきましょう。